山口県の農業
キャベツ
ビタミンUを始め、各種栄養素がぎゅっ!!
春も美味しい、冬も美味しい、夏秋もまた違いを楽しめる、旬の多い野菜キャベツ。元々は、青汁でお馴染みの葉野菜「ケール」から変化したものだと言われています。お好み焼きや定食の付け合わせはもちろん、麺類、煮込み料理、イタリアンに中華料理など、様々な場所で活躍しています。「キャベジン」の名の通り、代表的な栄養素・ビタミンUを始め、各種栄養素がぎゅっと詰まっており、余さず食べられるのも利点。季節に合わせて上手に調理方法を変えて、美味しくいただきましょう。
栄養素
キャベツはビタミン類と食物繊維が豊富です。風邪や感染症の予防に効くビタミンCは大きめの葉2枚分で1日の必要摂取量が補えるほど。キャベジンとも呼ばれるビタミンUは、胃酸の分泌を抑える作用があり胃潰瘍の予防につながります。また肝臓の機能回復などにも効果があり、食物繊維とともに腸内環境や内臓の働きを改善すると言われています。血液と強い関連を持つビタミンKは、出血時に血液を固める因子を活性化させる効果があります。ビタミンUとビタミンKは脂溶性です。油と一緒に摂取すると吸収しやすくなります。
選び方
カットされていない、球状のものが味落ちせず長持ちします。緑が濃く、葉脈が左右対称になっているものを選びましょう。芯の切り口が白く、500円玉くらいまでの直径で、変色やひび割れがないものが新鮮な証拠です。持ってみてずっしりと重たいものは中が良く詰まっています。逆に、春キャベツは、葉が柔らかく空気を含んでいるので軽いものが良いでしょう。カットされたキャベツを買う場合、巻きのしっかりしているもの、切り口が盛り上がっていないものを選びましょう。芯の高さが全体の3分の2より短いものは、栄養分が逃げていないサインです。
保存方法
なるべくカットせずに、外側から剥いで使った方が長持ちするのでオススメです。芯をくり抜き、湿らせたキッチンペーパーを穴に詰めると乾きにくくなります。ポリ袋や新聞紙に包んで、冷蔵庫で保存します。カットしたものはラップで包み、同じく冷蔵庫に入れておきます。そのほか、茹でて冷凍したり、漬物に加工して保存することもできます。
調理・料理
キャベツは季節によって特徴が変わります。春キャベツは葉が柔らかく甘みがあります。生のままサラダにしたり、軽く味をつけてメイン料理の付け合わせにするのがオススメ。冬キャベツは葉が厚く、煮込み料理に向いています。ロールキャベツやスープにしても煮崩れしにくく、たくさん食べることができます。また、加熱するとビタミン類が溶け出てしまいますが、栄養分が溶けたスープごといただくことで、残さず栄養を摂取することができます。ロールキャベツは油も入っているので、ビタミンUなどの吸収も促進します。夏秋キャベツは春キャベツと冬キャベツの中間の特徴を持っています。漬物などにしても美味しいですし、豚肉などとさっと炒め物にすると食感を楽しめます。
栽培状況
キャベツは春から夏秋、冬にかけてのリレー出荷サイクルができがっています。キャベツの生育適温は15〜20度で、大きな温度差が苦手です。冬でも比較的暖かい千葉県や神奈川県、愛知県の沿岸部、また南九州では冬キャベツと春キャベツの生産を担っています。夏になると、高山や冷涼地に栽培地域が移ります。この周年供給体制で、1年を通してキャベツの出荷が途切れないようになっています。山口県では、宇部市の沿岸部を中心にキャベツの栽培に取り組んでいます。2017年には「山口宇部キャベツ生産組合」が設立し、地域で連携した一大産地化に向けて活動を始めました。また、春キャベツのブランド「ソフトろまん」の栽培に取り組んでいます。冬場の土地利用、売上の確保にもつながるキャベツ栽培は、県内各地に広がっています。
主な品種
季節ごとに特徴が変わるキャベツは、「寒玉(冬キャベツ)」「春キャベツ」「高原キャベツ」と、季節により呼び方が変わります。他にも、紫キャベツや、グリーンボール、芽キャベツ、プチヴェール、ちりめんキャベツなど、色や大きさの違ったキャベツが、それぞれ品種改良・開発されています。キャベツは種類によって保存期間や栄養素が大きく違います。例えば、芽キャベツが含むビタミンCは、通常のキャベツのおよそ4倍と言われています。
旬
キャベツの旬は1年に3回やってきます。春キャベツ、夏キャベツ、冬キャベツと産地が移り変わり、味も変わります。季節に合わせた使い方で楽しみたい野菜です。
山口県産のキャベツは12月〜3月にかけて多く出回ります。