山口県の農業

GI登録、産地に光 / 美東町ごぼう生産組合・堀田勝利組合長

2018/11/22

美祢市美東町赤郷地区で栽培される「美東ごぼう」。肉質の柔らかさと風味の良さが高い評価を受けています。おいしさの秘密は、同市に広がるカルスト台地が生み出す赤土にあるといいます。赤土は、カルスト台地の石灰岩が長い年月をかけて溶け出し酸化したもので、炭酸カルシウムを多く含む粘土質。ゴボウをじっくりと成長させ、柔らかく豊かな香りになるそうです。10月から出荷が始まっており、お歳暮など贈答品としての需要が高まる年末にかけてピークを迎えます。

美東ごぼうは、赤郷地区という限られた場所で栽培されていること、また秋吉台国定公園の指定区域内では農作物が栽培できないなどの理由から、生産できる量には限りがあるのが実態。現在は、美東町ごぼう生産組合の組合員26人が生産しています。

2017年9月、美東ごぼうはGI(地理的表示保護制度)に登録されました。産地で長年培われてきた特別な生産方法と、高品質で高評価を獲得する美東ごぼうの名称を国が登録。知的財産として保護されています。生産組合長の堀田勝利さん(43)は、「美東ごぼうは少数の生産者が限られた条件のもとで生産しています。GIに登録されたことで、産地を何とか維持して将来に残したいという思いが強くなりました」と話します。

美東ごぼうの収穫作業は、粘土質土壌で手掘りが困難なため、重機を使って60~70㌢の深さまで掘り、そこから丁寧に手で掘っていきます。重機を使う際にゴボウを傷つけないよう、一定の間隔をあけて種をまく必要があります。収穫された美東ごぼうは、風味や栄養が集中する皮を傷つけないよう、稲わらや柔らかい布を使って、一本一本手作業で丁寧に泥を落とす「すなでる」という伝統的な手法できれいにしていきます。「美東ごぼうの特徴を損なわないための工夫が、人気ブランドとして高値で取引される秘訣」と堀田さんは胸を張ります。

代々受け継がれてきた美東ごぼう。若手農家の堀田さんは、ブランドごぼうの産地を力強くリードしていきます。

この内容は、JAグループ山口ホームページ「食に関わる人々」から転載したものです。※掲載内容は取材当時のものです。

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