地域情報 下関統括本部

【下関】料亭御用達の寒干しダイコン、出荷始まる

2020.01.28

下関市の吉母寒干組合は1月21日、吉母地区特産の寒干しダイコンを初出荷しました。集出荷場に運び込まれたダイコンを、組合長らが色の白さや傷の有無を1本1本確かめ、等級分けしました。主に関西の市場に出荷され、高級料亭などで振る舞われます。

同地区は干す前にダイコンを縦に切り分ける、国内唯一の産地。出荷時には箸のように細長く形を整えます。手間はかかりますが、業者の評価は高く、出荷前から引き合いの強い逸品です。50年前はそれぞれの家庭が作っていましたが、今は11人で作っています。

品種は「白太郎(はくたろう)」。40㌢ほどに育ち、柔らかな肉質と食味の良さが特徴です。収穫したダイコンは2、3日置き、厚く皮をむきます。縦に4~6等分に切り分けて、面取りをした後に、2本ずつ葉を輪ゴムでくくり、竹竿に吊るして10~14日間干します。カラカラになるまで乾かしたら、面を平らにした木製の道具で揉み、細く形を整えたら出荷です。
寒干しの適温は10度前後。高い温度だとカビが発生し、低すぎると凍ります。風が吹きすぎると青くなり、霜が降ってもいけないので、限られた環境でしか生産できません。

今年は天候で作付けが遅れたため、例年より1カ月遅い出荷でしたが、生育は順調。3月まで4000束(10本1束)の出荷を目指します。井上泰久組合長(77)は「担い手不足と高齢化で出荷量は中々伸ばせないが、非常に需要が高い作物。品質に自信を持って出荷する」と話しました。

厳正に確認

寒干しダイコンずらり

吉母地区、冬の風物詩


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