【周南】畜産和牛農家、繁殖・安定出荷への取り組み
2020.07.01
周南市の山間部で農畜産業を営む岩田晋さん(39)は、新型コロナウイルス禍の影響で県内牛肉の消費や子牛価格低迷が懸念されるなか、精力的に良質な黒毛子牛の繁殖に注力し、若手経営者として安定した子牛の市場出荷を目指します。約10年間父親の熟練技術を学びながら、黒毛和種の繁殖牛農家として経験を積んでいます。70代の父親と親子二人三脚で水稲栽培にも取り組んでおり、多角的農業で生計を営みます。定期的なJAの巡回支援や行政の畜産担当部署の技術指導を受けながら、1年1産に向け母牛の健康管理や繁殖管理に努めます。
母牛と子牛を肥育し牛と触れ合いながら、愛情込めて作業を進めます。岩田さんは「1日の作業の大半を占める朝晩のエサやり、牛舎の掃除は、良質な黒毛和種を育てる上でも大切な日課」と笑顔で話します1頭1頭に気を配りながらの作業は、健康管理や事故防止の上でも欠かせないといいます。
最近は農家同士のつながりで、休耕地を活用した放牧にも取り組んでいます。自然豊かな草地に放牧することが、牛の運動にもなり食事につながります。休耕地も豊かな土壌によみがえり、地域の活性化にも一役かっています。
定期巡回にあたるJA山口県周南統括本部営農経済部指導販売課の兼清厚志職員は、「若手農家の地道な経営努力と畜産への熱い想いが、次代につなぐ地域の食と健康を支えていることを伝えたい」と話しました。

職員の定期巡回に笑顔の岩田さん(左)

牛舎掃除で、牛とふれあう岩田さん