山口県の農業

食べてみて、旬のタケノコ/災害乗り越え、地元を元気に

2018/04/27

防府市真尾(まなお)地区。市北部に位置する当地区は、一級河川である佐波川沿いにある農村地帯です。長年建設業に従事してきた清水克己さん(77)は定年退職後、妻の蓉子さん(74)とともに真尾地区で就農。水稲をはじめ、タマネギ、ハクサイ、ダイコン、キャベツなどの野菜栽培に励んでいます。

現在、清水さんが所有する竹林では旬を迎えたタケノコが顔を出し、収穫作業の真っ只中。5月中旬くらいまでが食べ頃だそうです。2年前、JA防府とくぢからの提案を受け、タケノコの出荷を開始。それまでは自家消費が中心でしたが、今ではJAへの出荷により所得にもつながっています。

2009年7月に発生した中国・九州北部豪雨の際、多くの地域で土砂災害や水害が発生しました。ここ真尾地区も例外ではなく、民家・農地等をはじめ、隣接する山口市徳地地区にかけて点在する史跡の石風呂も被害を受けました。克己さんは、「大雨のなか地鳴りがしたと思ったら、次の瞬間、自宅の中に土砂が流れ込んできた。停電していたので十分な情報も得られず、不安な日々を過ごした。県内外のボランティアの人たちが土砂の搬出を手伝ってくれて、何とか乗り切ることができた。とても感謝している」と当時を振り返ります。清水さんが所有する竹林も土砂崩れに巻き込まれ、一部が消失。現在は、残った竹林を夫婦で丁寧に管理しています。

JA防府とくぢ女性部に所属する蓉子さんは、女性部活動の一環として自慢のタケノコを使った独居老人向けの弁当づくりや、地域特産である「おの小町みそ」の生産などに取り組んでいます。タケノコは茹でた状態で冷凍すれば、長期保存が可能。冷凍する前に一口サイズにカットしておけば、手軽に調理して食べることができます。「冷凍したタケノコを調理する場合、自然解凍すると水分が抜けて新鮮さが失われる。凍った状態で出汁にひたし煮込むことが、おいしく食べるためのコツ」と蓉子さん。柚子味噌で煮込んで食べるのが好きと笑顔。

克己さんは、「真尾地区では、高齢化が進み人口流出に歯止めがかからない状況が続いており、とても寂しく思う。それでも、ここには農業がある。自分で育てた野菜を食べることができ、誰かに食べてもらうことができる。これからも大好きな農業を通じて、地域を元気にしたい」と将来を見据えています。

この内容は、JAグループ山口ホームページ「食に関わる人々」から転載したものです。※掲載内容は取材当時のものです。

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