山口県の農業
アスパラガス

ヨーロッパからロシアの南部地域で古くから自生していたアスパラガス。ギリシャやローマでは紀元前から食用・薬用として栽培されており、欧米では馴染みの深い野菜です。日本には江戸時代、観賞用として入ってきました。栽培が本格的になったのは、大正時代に入ってから。当初はホワイトアスパラガスの缶詰が主流でした。現在では、生鮮品としてグリーンアスパラガスが中心になっています。名前の由来にもなっている「アスパラギン酸」はスタミナアップに効果的。また、豊富なビタミンは美肌効果やアンチエイジングに繋がるので、女性に人気のある野菜です。
栄養素
有名なのが「アスパラギン酸」。アミノ酸の一種で、乳酸をエネルギーに変える働きがあります。疲労回復や免疫力向上につながります。他にも、ビタミンA、B1、B2、C、Eなどビタミン群が豊富。抗酸化作用や身体の活性化に効果があります。アスパラガスは、茹でることの多い野菜ですが、、熱を通したり水にさらしたりしても、栄養分が流れにくい性質があります。グリーンアスパラガスは、生育中に日光にあたって大きくなるため、ホワイトアスパラガスより栄養価は高くなります。
選び方

緑色が濃く、太さが均一なものを選びます。穂先は傷みやすいので注意が必要です。ピンとしていて穂がしっかりとしまっているものがオススメです。はかまの形が三角形で、均一に並んでいるものは美味しい証拠です。また、根元の切り口が丸く、変色していないものを選びましょう。
保存方法
ポリ袋などに入れて、冷蔵庫で立てて保存します。寝かせておくと、穂先が上に伸びようとするためにエネルギーを消費し、鮮度が落ちてしまいます。長く保存したい場合は、硬めに茹でて冷凍保存することがポイントです。ホワイトアスパラガスは、酢やレモン汁を加えてから茹で、そのまま茹で汁の中で冷ましましょう。色や風味が良くなります。
調理・料理

塩茹でするだけでも美味しくいただけるアスパラガス。マヨネーズやドレッシング、醤油やトマトケチャップにもよく合います。他にも、ソテーにして付け合わせにしたり、小さめに切ってサラダに混ぜ込むのもおすすめです。焼き野菜にすれば主役に早変わり。丸々一本をグリルで焼き、塩胡椒やパン粉、チーズを乗せれば簡単に1品出来上がります。
栽培状況

日本では主に北海道、長野県と九州地方で生産されています。北海道の出荷時期は5月〜7月に、その他の地域はその前後に出荷し春から夏にかけて産地が交代しながら店頭に並びます。国内での生産が少なくなる秋冬の時期は、メキシコやオーストラリアからの輸入品が増えますが、季節によって輸入国が移動していきます。山口県では、温暖な瀬戸内沿岸部を中心に栽培されています。特に下関市は県内最大の産地で、下関アスパラ部会が中心となって生産を支えています。アスパラガスは種をまいてから3年目から収穫できるようになり、その後10年間くらいは同じ株で次々と芽が出てきます。
主な品種
一般的な「グリーンアスパラガス」と、日光をあてずに生育した「ホワイトアスパラガス」があります。どちらも、日本では「ガインリム」という品種が多く生産されています。また、香川県は、オリジナル品種として「さぬきのめざめ」というアスパラガスを開発しています。他にも、若採りした「ミニアスパラガス」や、紫色の品種「パープルアスパラガス」というのもあります。日本でアスパラガスというと「グリーン」ですが、実はヨーロッパでは「ホワイト」が主流。「パープル」も、海外では一般的に流通しています。
旬
アスパラガスの旬は春から初夏。露地栽培の多い北海道はこの時期一気に収穫が始まります。私たちが普段食べているのは、アスパラガスの芽の部分です。春に「春芽」を収穫した後、少し残しておいた芽を親として新しい芽が出てきます。これを「夏芽」といい、1株で何度も収穫できるのが特徴です。また、いろいろな栽培方法が生まれており、冬にも少量ですが出荷されています。