山口県の農業

かぼちゃ

画像:かぼちゃ

かぼちゃは16世紀、戦国時代にポルトガル人によってカンボジアから伝えられてきました。日本で本格的に栽培されるようになったのは、明治時代以降のこと。現在でも、かぼちゃは世界中にたくさんの品種が開発されています。最近はユニークな色や形が特徴的な「ペポかぼちゃ」も出回り、1年を通して色々な種類のかぼちゃが食べられるようになりました。「冬至に食べると病気にならない」と言われる通り、栄養価が高く単体でも吸収率が高い野菜です。

栄養素

カリウムの含有量はトップクラス。むくみ解消や高血圧予防につながります。また、かぼちゃはビタミン類が豊富です。体内でビタミンAに変わるβカロテン、ビタミンE、ビタミンCの3種が、相乗効果により抗酸化作用や美肌効果を促進します。便秘改善効果が期待できる食物繊維も豊富に含んでいます。かぼちゃは、皮や種も栄養豊富。かぼちゃの種はタンパク質、カルシウム、ビタミンB群、鉄分も含まれています。

選び方

画像:販売風景

丸ごと買うときは、ずっしりと重みのあるものを選びます。ヘタの部分が乾燥していて、縦にヒビが入っていれば、完熟のサイン。カットしてあるものを買うときは、肉厚で種が大きく、ワタがみずみずしいものを選びます。色味が濃いものを選ぶのもポイントです。

保存方法

丸のまま保存するときは、風通しの良い所に置いておきます。2ヶ月ほど保存可能です。カットされたかぼちゃは種の部分から傷んでいくので、種とワタを取り除き、ラップに包んで冷蔵庫で保存します。かぼちゃは収穫後、追熟させることで甘みが増します。できれば丸ごと買って、完熟のサインが出るまで置いておくのがおすすめです。

調理・料理

画像:キッチンの女性

煮物にするのがポピュラーです。味付けした煮汁に入れ落し蓋をし、煮崩れないように味を染み込ませます。水分を多くしすぎないのがコツ。かぼちゃによって水分量が違いますが、最後に煮汁がなくなるくらいの量にすると、ホクホクに仕上がります。他にもメニューは色々。マッシュしてサラダやグラタンにしたり、煮込んでポタージュ、焼き野菜にしたりしても美味しくいただけます。ベーコンなど塩気の強いものや、スパイスとの相性も良いのでおすすめ。また、スイーツの材料としても使われます。かぼちゃの種も食べられます。ワタを綺麗にとり、ローストして塩・オリーブオイルを振れば、おやつにもおつまみにもなる一品に。飾り付けやクッキーの中身にも使えます。

栽培状況

画像:生産者

日本で生産されているのは、多くが西洋かぼちゃ。収穫してからも保存がきくため、消費量の大きい都市部から遠い場所でも生産しやすいのが特徴です。大きく割合を占めているのが北海道、2位が鹿児島県です。日本での収穫が難しい冬から春の時期は、ハウス栽培で収穫されたものと輸入物が出回ります。山口県では、萩市や山口市阿知須地域と山陽小野田市厚狭地区が中心に、ブランド化・産地化に取り組んでいます。

主な品種

かぼちゃはたくさんの種類があります。大きく分けると「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3タイプです。現在、日本で主流なのは西洋かぼちゃで、黒皮栗かぼちゃや雪化粧南瓜が一般的です。ゴツゴツした見た目が特徴的な日本かぼちゃは、伝統野菜と言われる地方品種が多く残っています。ペポかぼちゃは、「おもちゃかぼちゃ」とも呼ばれるユニークな形のかぼちゃ。ズッキーニやそうめんかぼちゃもこの中に入ります。山口県では、山口市阿知須地域で「くりまさる」、山陽小野田市厚狭地域で「くりゆたか」、萩市で「こふき」等を生産しています。

かぼちゃの収穫時期は初夏から秋にかけて。ペポかぼちゃの仲間は収穫後すぐに食べるのに向いていますが、一般的にかぼちゃは2〜3ヶ月貯蔵してから食べたほうが美味しくなります。冬至の日にかぼちゃを食べるのはこのためです。もともと日本では野菜の少なくなる冬まで保存し、食べていたのだとか。今でも夏の収穫が一番多いですが、現在はハウス栽培や輸入物、多品種が出回っていることで通年食べられるようになりました。