山口県の農業

ミニトマト

画像:ミニトマト

普通サイズのトマトよりも手軽で食べやすいミニトマト。実は、トマトの原種はミニサイズのトマトの方が多く、普通サイズの大玉トマトよりも歴史は長いんです。日本に伝わったのも、始まりは小さいサイズのトマトだったとか。色も形も様々で、家庭菜園でも人気の高い野菜です。お弁当など隙間に入れやすく、生で食べても、また加熱しても形がくずれにくいので料理の彩りに重宝されています。甘みの強い品種が多いので、スイーツやジャム、ドライフルーツに。さらに、小さいながらも栄養価は大玉トマト以上。トマトの栄養がぎゅっと凝縮されています。

栄養素

トマトの甘みは小さいほど強くなる傾向があります。栄養面でも、ミニトマトの方が普通サイズのトマトより豊富です。βカロテン、ビタミン群、カリウム、食物繊維などは1.5倍〜2倍にもなります。赤い色素に含まれるリコピンは、抗酸化作用を持つ栄養素。ミニトマトの中でも、より赤い品種を食べると高い効果が期待できます。手軽にパクパク食べられて、栄養素がぎゅっと詰まっているので、疲労回復や美肌効果、高血圧予防、熱中症予防に常備しておくと良いでしょう。

選び方

画像:販売風景

色が濃く鮮やかで、色が均一になっているもの、ハリとツヤのあるものを選びます。ヘタが綺麗な緑色をしていることもポイントです。ミニトマトは実割れしやすいので、傷やヒビが入っていないかチェックが必要です。

保存方法

気温が25度を超えない場所であれば、常温保存で大丈夫ですが、湿気がこもらないように、ざるなどに上げておいておきましょう。ミニトマトは冷凍すると旨み成分が増すとも言われています。ヘタを取り密閉して冷凍保存します。解凍すると簡単に皮が向けます。他にも、半分に切って天日干しにすればドライトマトとして手軽な保存食となります。ジュースやソースに加工するのもおすすめですが、手作りは保存料が入っていないので、早めに使い切るようにしましょう。

調理・料理

画像:キッチンの女性

大玉トマトより甘みが強く食べやすいミニトマトは、生のままお弁当の隙間や料理の彩りに重宝します。また、丸のままスープにしたり、焼き野菜にしても美味しくいただけますが、おすすめはマリネ。皮をむいたミニトマトを、丸のままボウルに入れ、オリーブオイルとノンオイルドレッシングを和えて置いておくだけの簡単料理です。ミニトマトの栄養素であるリコピンは、油との相性がいいので、吸収率も高まります。甘みを生かしてお菓子にも使われます。水分が多く体温を下げる効果があるので、生のまま食べるときは食べ過ぎに注意しましょう。

栽培状況

画像:生産者

トマトの生産が盛んな熊本県、千葉県、愛知県などはミニトマトの生産も盛んです。秋から春にかけて出荷されるミニトマト、夏場は北海道や茨城県に移りますが、高温時期である9月ごろは栽培が少なくなります。ミニトマトの栽培は、生育方法に手間がかかることや、たくさんの数を1つひとつ手作業で収穫することが課題でしたが、溶液栽培や「ソバージュ栽培」などの新しい栽培方法が開発されるなど改善に向かっています。

主な品種

「ミニトマト」というのは、品種名ではなく、呼び方です。大きさ(基準は重さ)により「大玉トマト」「中玉トマト(ミディトマト)」「ミニトマト(プチトマト)」と呼び方が変わります。ミニトマトの品種は沢山あります。赤いミニトマトの主流は「千果」です。他にも、卵型のミニトマト「アイコ」、黄色い品種「ルビンズゴールド」、実の大きさが1cmほどの「マイクロミニ」などがあります。山口県では、岩国市が「しおみ」、美祢市が「美桜(みお)」を栽培するなど、地元独自の品種も開発されています。

家庭菜園では夏に収穫する印象がありますが、ミニトマトは、ハウス栽培により1年を通して流通している野菜です。高温多湿に弱く、冷涼を好むので、8月~10月は収穫量が減少します。近年は給水量を管理したり、温度の調整を行ったりできる設備が整っているので、季節にあった栽培が可能になりました。ただ、普通サイズのトマト同様、体温を下げる効果があるので、冬よりも夏場の方が好まれるようです。