山口県の農業
観光農園で新規就農/きときと果樹園
2018/08/16
周南市北部にある須金フルーツランドでは、8月下旬から観光農園がオープンしています。地区内の16農園で構成され、ブドウや梨のもぎとりで連日多くの来園者で賑わっています。ブドウは黒色の巨峰やピオーネ、赤色の安芸クイーン、緑色のシャインマスカットなど、多くの品種を栽培。梨は8月上旬から新水、幸水、8月下旬から二十世紀、豊水、9月下旬から新高など、長期間にわたって収穫できます。
田中友和さん(42)は、16農園の一つである「きときと果樹園」でブドウを生産しています。昨年12月に前園主から果樹園を引き継ぎ、就農して初めての収穫シーズンを迎えました。サラリーマンだった田中さんは、当時、須金地区に家族でブドウ狩りに訪れたことがありました。その時、子どもたちの笑顔と果樹園でブドウを育てる農家の姿に触れ、須金で就農したいという思いを強く抱くようになったといいます。その後、家族と相談して就農を決意。前園主のもとで2年間ブドウ作りについて学び、新たに自分の果樹園としてスタートしました。
現在、妻の和歌子さんとともに、1.2㌶の果樹園でシャインマスカットなど20品種のブドウを栽培しています。「先代が40年間守ってきた果樹園を、農家1年生の自分が満足に引き継ぐことができるか不安でした。それでも、須金地区の先輩農家や地域の人たちの支えがあって、何とか一歩を踏み出すことができたんです。これからは夢に向かって頑張るだけですね」と田中さんは意気込みます。
和歌子さんは「山口市から転居した当時、自然の中での子育てに不安もありましたが、子どもたちがのびのびと過ごす姿を見て安心しています。今では農業に興味・関心を持ってくれていて、農家として、また親として嬉しい限りです」と目を細めます。
田中さん夫妻は、「園主との会話を楽しむことができるのが観光農園の魅力の一つ。来園者に来てよかったと思ってもらえるよう、コミュニケーションを含め最大限のおもてなしをしたいと思っています」と笑顔で話していました。
この内容は、JAグループ山口ホームページ「食に関わる人々」から転載したものです。※掲載内容は取材当時のものです。