山口県の農業

特産「厚保くり」出荷開始/歴史ある産地を次代へ

2018/09/14

古くから美祢市の特産品として知られる「厚保くり」。甘味と風味の良さが県内外から高い評価を得ている秋の味覚の出荷が、9月中旬から始まりました。江戸時代から栽培が始まり、大栗を実生によって植え付けたのが厚保くりの祖とされ、栗が年貢として納められていたという話も残されているほどの歴史ある産地です。

厚保くりの生産を支えるJA山口美祢厚保くり生産部会では、410人の部会員が141㌶で厚保くりを栽培。部会長の三澤捷さん(76)も、美祢市西厚保にある4.5㌶の農地で600本に上る栗の樹を管理・栽培しています。「もともと農家が庭先で栽培する程度でしたが、昭和45年頃に栗団地の造成が本格化したのを機に生産が拡大していったんです」と当時を振り返ります。粘土質・石灰土質と盆地特有の寒暖差が栗栽培に向いており、甘味を最大限に引き出し大きな果実に育つといいます。

三澤さんは栽培の傍ら、厚保くりを使った焼酎の開発を発案。2012年にJA山口美祢が「まるごと栗焼酎あつ」(720ml)として商品化しました。皮ごと粉砕した厚保くりを原料にしており、糀(こうじ)には美祢産米を使用しています。三澤さんは、「栗ごはんや焼き栗などが有名ですが、焼酎としての厚保くりも楽しんでほしいですね」と話します。

収穫時期を迎えているなか、三澤さんは義理の息子さんである濵﨑尚貴さん(40)の協力を得ながら収穫作業に汗を流します。建設業に従事する濵﨑さんは、空いた時間を活用して三澤さんの作業を手伝っています。「農家の高齢化が進んでいることはよく知っています。5年前から手伝っており、栽培技術を磨いて後を継ぎたいと思っています」と話します。

「上質な栗を消費者に届けるためには、冬場の剪定作業と正確な庭先選果が重要です。そして、何より後継者の確保が不可欠。JA・行政と連携して、産地の活性化につなげたいですね」と三澤さんは語ります。

この内容は、JAグループ山口ホームページ「食に関わる人々」から転載したものです。※掲載内容は取材当時のものです。

2018年の記事一覧